Scribble at 2024-03-28 15:30:02 Last modified: unmodified

B2B のコーポレート・サイトやサービス・サイトのデザインについて、いまのところ海外のページしか参考にしていないのだが、こういうページを見ているだけでも色々と気づくことがある。たとえば、3年以上前のページで「◯◯年のトレンド」などと称して紹介されている事業者あるいは事業サイトの幾つかは、既に消失しているということだ。

これはつまり、簡単に言えばサイトのデザインなんてビジネスとして成功するかどうかに殆ど関係がないといことでもある。それが言い過ぎなら、馬鹿げたサービスを事業継続させるほどの力はデザインにはないということだ。これは、プロのデザイナーだからこそポジション・トークとして言える。デザインというものに、そんな過大な力などないのである。

しかし、先日も述べたように、逆にデザインは人を簡単に不愉快にさせたり、場合によっては愚かでイージーな視覚効果やカラー・スキームを採用することで、一部の発達障害の人などの認知機能を過剰に刺激する、いわば「デザイン傷害罪」や「ビジュアルの暴力」になりえる。僕は20年くらい前から「ウェブ・デザインはプロダクト・デザインでもある」と言ってきたわけだけど、プロダクト・デザイナーであれば、PL(製造物責任)に関わる規制や法律について知らないわけがないのであって、そこを軽視した「やってみた」系の、いまどき生成 AI でいくらでも吐き出せるような子供のお絵描きにばかり執着することが「クリエイター」だなどと錯覚しているようでは、日本のウェブのデザイナーなんて外国では仕事に携われなくなるだろう。

でも、やはり大きな領域の例外が外国にもあって、ウェブではその例外的な領域が大きなビジネスになっているため、子供じみたスタンスで仕事をしていてもいいんだという錯覚が蔓延しているわけだ。それは、つまりベンチャー企業である。

庭先でレモネードを売った経験すら無い、ハーヴァードや東大を出たお坊ちゃんが、お父さんのお小遣いとか金融業の伯父さんから借りた数億の金で始めたりするのが、いまやアメリカン・ドリームなど殆ど不可能になったアメリカでもトレンドになりつつある。例の巨額詐欺事件で有名になったテラノスのエリザベス・ホームズなんて人物は、それこそ周りが金持ちだらけの環境で育ったお嬢様で、近所の駄菓子屋で数十円の飴玉を買うような感覚で数千万円の外車を乗り回していたような人物だ。そして、アメリカでも起業家とはそういう出自の人物であることが多い。そもそも、マイクロソフトやアマゾンやグーグルの創始者にしたって大金持ちの息子たちだ。調べてみれば分かるように、アメリカの IT 系ベンチャー企業や有名企業のファウンダーで、黒人やネイティブ・アメリカンはいないはずである(それどころか女性すら殆どいない)。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook