Scribble at 2021-09-06 10:51:14 Last modified: 2021-09-06 10:54:10
いつごろから使われているのかは知らないが、「~のありかた」という表現を見聞きする。漠然と言えば、「~」で指し示されている事柄についての理想という意味だが、どうも聞いている印象では「理想」と言わずに「ありかた」と平仮名的な日本語(もちろん漢字表記にもできるが、語感として噛み砕いて平易に表現しているという自意識があるのだろう)に言い換えるだけで、何か一般大衆に通じるものの言い方をしているかのような錯覚に陥る人々が多くいるらしい。
また、こういう表現を使う場合は、発言している当人が具体的に理想的な状況を説明したり明確にこれだと指摘できるとは限らず、ともかく〈いまより良い何か〉という他にない、天空に置かれていて、そこへ入るべきものが入るような概念の入れ物を想像しているらしい。ともあれ、この「ありかた」という言葉遣いに感じる日教組的というか草の根左翼的なニュアンスが何とも気味悪い。希望への熱意や意欲を匂わせる言葉遣いだけで自分が何事か素晴らしいことを口にしているという妄想に落ち込む〈症例〉にならないよう、留意してもらいたいとは思う。