Scribble at 2024-03-15 13:10:34 Last modified: unmodified

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Hatena という会社をながらく見てきて、いまでも Mackerel というサーバのモニタリング・サービスを使わせてもらっているのだけれど、上場した後も domestic というか、IT 系の事業者ではありながらも国内指向の強い会社だなという印象が強い。でも、それは当たり前のことではないかという気がしている。アメリカの IT 企業がグローバルにサービスを展開しているのは、最初からアメリカ以外の土地で英語で暮らしている人がたくさんいるからにすぎないわけであって、たとえばイギリスには英語を話す人がたくさんいるわけだよ。皮肉な言い方だけど(「英」語だから当たり前のことだ)。実際、アメリカの IT 企業はともかくとして(既に事業所もグローバルに展開しているし、海外にいる従業員の方が多いという事例もある)、ネット・ベンチャーについては、その多くが English-oriented と特別に表現するまでもないほど、英語だけでサービスを展開するのが自然であり当然だというスタンスで運営されていたりする。せいぜい、サポートする他言語としても、同じくアメリカに多いメキシコ系や中国系のユーザに配慮したオプションが提供されているていどのものである。要するに、IT やネットを利用してサービスを展開しているからといって黙っていてもグローバルになるわけでもないし、グローバルにならざるを得ないとか、それどころかなるべきだなどとも言えないわけである。

よって、日本の国内企業の多くが日本の市場だけを考えてサービスを展開していることについて、いちがいに「グローバルでない」とか「内向き志向」などという批評は的を射ていない可能性がある。そもそも、信頼できる自動翻訳と、それから海外のユーザに利用してもらうにあたっての法的な問題(特に個人データの扱い)を自動でクリアする仕組みでも実現していない限り、最初からグローバルに事業を展開する義務も必要もないのであって、それこそガレージで近隣住人を相手にレモネードを売る子どものようなところからスタートするのが当たり前である。そして、それを自分たちがサポートできる国や言語の範囲だけにとどめておいても収益性に問題がなければ、そこから先は是非の問題ではないのだろう。

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