Scribble at 2017-03-16 20:12:51 Last modified: 2022-09-20 09:41:36

Peter Glassen

Peter Glassen というと、「関係」の概念をテーマにしていた学部時代の僕が、彼の論文を同人誌で翻訳したことがある。大きなインパクトを学界の内外に残した人ではないけれど、こういう人たちの成果も丁寧に扱うのがまともな学術というものだ。一つのテーマに沿って、こうした色々な研究者の業績を丁寧に扱うと時間や様々なリソースを使う。昨今の、AI なり映画といった俗受けするテーマでしか成果をアピールできない哲学の若手プロパーの多くは気の毒だが、はっきり言って、そんなことに暇を潰している場合ではないよ。というか、AI や映画を扱っても全く問題はないのだけれど、即座に何かをマスコミで吐き出さざるを得ない状況に置かれているのが気の毒なんだよね。大学を出て5年程度の人たちが AI や表現媒体について哲学を語るなんて、どう考えても「テヘペロ」、あるいは未熟な人間の余技でしかない。

もちろん、科学の近視眼的な業績競争とか教育機関の財政ということとも関連があるのだろうけれど、そういう学術やその成果の妥当性という観点から言って、本質的にはどうでもよいことに足元をすくわれる分野が多くなってくると、やはりアマチュア(もちろん、その多くは昔から財力や時間に余裕のある人々でしかないわけだが)のような利害関係の点で独立を保てる人々の成果も期待したいところではあるし、もちろん僕もその一助となるように努力したいとは思っている。

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