2018年01月13日10時02分 に初出の投稿

Last modified: 2018-01-13 10:16:23

最近、長らく積読の状態となっていた上野千鶴子さんの『家父長制と資本制』を読み始めて、なかなか勉強になると感心している。内容が、事実かどうか、あるいは是非の問題として正しいかどうかは、もちろんにわかに判断できないしすべきでもないとは思う。しかし、論述としては説得力のある良い文章だという印象は強く残った。そういうわけで、図書館へ行った際も上野さんの『ケアの社会学』(太田出版)という本を見つけて借りている。

さて、この本のあとがきには「第一次研究」の協力者として「グリーンコープ連合」の名が出てくる。これは「コープ」という言葉が表しているとおり、生活協同組合の一つで福岡に拠点を置く組合だ。その理事を務める行岡良治という人物の名前も謝辞に表れている。

「はて?」と思った。僕は上野さんの数多くの著書をアマゾンで検索してレビューも眺めたことがあるので、確か上野さんはグリーンコープ連合の行岡氏と揉めていた(『論争 アンペイドワークをめぐって』という、行岡氏との罵り合いを記録した本まであるようだ)のではなかったか。少し調べると2001年の科研費申請記録として「福祉市民事業の可能性-グリーンコープ連合福祉ワーカーズコレクティブの場合」(研究課題/領域番号:12410049)というのも出てくる。『ケアの社会学』は2011年に出版され、またこの著作は2013年に東大から博士号を受けた学位論文でもあるらしいので、2011年に研究成果として『ケアの社会学』を上梓するまでのあいだはグリーンコープ連合での研究成果を「寝かせて」いて他の第二次研究や執筆に時間を使っていたということだろうか。そうでなければ、民間企業の働き方とは違うなどと称して主婦を低賃金で働かせていたと上野さんが強く批判していた当の団体からの助成で博士論文を書いたという、脱構築というか(笑)、驚くべき研究に思える。敵の兵站を使って敵陣を爆撃するようなものだ(こういう表現を使うから「男は」と言われるのかもしれないが)。

あと、僕は『ケアの社会学』を出している太田出版という出版社にはあまり良い印象をもっていない。概して幻冬舎とならぶ、金のためなら出版物で人殺しでも平気でやりかねない連中という評価をしている。(太田プロダクションという芸能事務所が母体ではあるが、出版社というのはあまりにも目立ちすぎているので、恐らくこの出版社は反社とは繋がっていないと思う。)

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