Scribble at 2017-05-21 18:15:21 Last modified: 2022-09-20 11:54:52
この発言自体は、法律が法として実質的な効力をもつためには、紙に書かれただけでは不十分だと言っているわけで、彼は何も法律を軽視しているわけではないと思う。法律が単なる文章であり、従う必要がないというなら、この男は自分が殺されたり娘がレイプされても文句は言えまい。
リバタリアンにありがちな傾向として、たとえ紙に書かれただけのものであるとしても、それが紙に書かれた経緯や、紙に書かれて市井に流通して一定の権威の拠り所になっているという状況を支えている法治国家としての仕組みを、敢えて無視することもあるし、あるいは簡単に改めたり変えられると考えすぎる(しかも、リバタリアンの多くは、彼ら自身にその才能があると思い込む傾向がある)。ホリエモンや池田信夫君のようなリバタリアン的な人々にしても、言っていることは合理的で説得力もあるが、それを自分達が容易く捨てたり良く変えられるかのように表現してしまうので、「成功した後に初めて言えるだけの、勝者の自己責任論だ」と批判されたり、端的に言えば厨二病だと言われたりするのだろう。